MENU

性同一性障害(Gender Identity Disorder、GID)

生物学的には完全に正常であり、しかも自分の肉体がどちらの性に所属しているかをはっきりと認知していながら、その反面で、人格的には自分が別の性に属していると確信している状態を指します。

 

つまり、「心の性と体の性が食い違った状態」。

 

体は男性だが心は女性という人をMTF(Male to Female),体は女性だが心は男性という人をFTM(Female to male)と呼びます。

 

一般的に「自分のことを男と思っているのか、女と思っているのか」という自己イメージのことを性自認といいます。自己の中に男性性女性性が同時に存在する状態。本人が苦しんでいる場合に限り障害としています。

 

性自認と反する身体的性別を持っていることに違和感を抱き、不快に感じる。特にMTFの場合ペニス切断願望・乳房願望、FTMの場合にはペニス願望・乳房除去願望などの形で、この違和感が具体化することがしばしばあります。

 

米国のデータでは、FTMの人が5万人に1人、MTFの人は3万人に1人とされています。日本国内では5,000?10,000人といわれています。
MTFは、幼少期から女の子の服装をしたいと思い、成長につれ、陰茎などの存在が我慢できず苦しむ人が多い。
FTMは、幼少期からスカートや人形に興味を示さず、月経や胸のふくらみなど体の変化を嫌悪することが多い。
こうした意識は、親の育て方でも、思春期に性ホルモンの分泌が増えても、変わらないことがわかってきました。脳には性差があり、胎児期に脳が形成される際、男性ホルモンの量などによって「女の脳」「男の脳」に分かれます。これが本人の自覚する性別に関係すると考えられています。このため、すでに固まっている心の性を、「体に合わせる」のは無理なわけです。

 

日本精神神経学会は1997年、性同一障害の診断の指針『診断と治療のガイドライン』を定め、98年に埼玉医大で初めて大学倫理委員会の承認を得て性別適合手術が行われた。

 

治療は、主に3段階に分かれます。

 

  • 第1段階:精神療法
  • 第2段階:ホルモン療法(18歳以上)
  • 第3段階:性別適合手術(20歳以上)

 

最初は精神科を受診します。生活歴を聞き、自分の性の認識と、体への違和感が続いていることを確かます。2人の精神科医の意見が一致すれば、診断は確定します。

 

それまでと異なる性別での生活を送ることに伴う様々な困難に対処できるならば、性染色体なども確認し、ホルモン療法へ進みます。学会指針では18歳以上が条件で、20歳未満は親権者の同意が必要になります。

 

女性ホルモンは乳房が膨らみ、体には脂肪がたまり、精巣は萎縮します。

 

男性ホルモンは月経が止まり、脂肪が減り、体毛が増えます。この段階で乳房摘出術を行います。

 

希望する性での生活を、少なくても私的な場では1年以上続けたうえで、性別適合手術を行うのが理想です。

睾丸摘出術

適 応

 

男性の体に違和感や嫌悪を感じている人
女性ホルモンを投与しているにもかかわらず、女性化が現れにくい人
長期間の女性ホルモンの服用が、面倒あるいは副作用が心配な人

 

効 果

 

  1. 男性ホルモンの減少
  2. 乳房や乳腺の発育
  3. 皮膚がきめ細やかになる
  4. 髭と体毛の減少
  5. 頭髪の増加、禿の改善
  6. 筋肉の減少により、女性的な丸みをおびた体型となる
  7. 性欲の減退
  8. 勃起障害

 

手術方法

  1. 十分なる消毒をして、局所麻酔を施します。
  2. 陰嚢の裏の目立たないところを数センチ切開します。
  3. 丁寧に睾丸を摘出します。
  4. 創部は吸収糸で閉創します。

 

  • 施術時間は30分。
  • 入院や通院の必要はありません。
  • 翌日よりシャワーは可能です。
  • 入浴は1週間目より可能です。
  • 吸収糸は3〜4週目で自然に抜けます。

ホルモン療法

体的性別とは反対の性ホルモンを投与することで、二次性徴の一部を性自認に一致させようとするものです。
つまり、性別違和感を改善し、葛藤を少なくする効果があります。

 

MTFに対しては女性ホルモンを投与します。
FTMに対しては男性ホルモンを投与します。

 

ホルモン投与の効果は血液を採取して性ホルモンの血中濃度を定期的にチェックすることにより評価します。
ホルモン療法における血液検査は治療目的の検査です。

 

投与方法としては注射剤、パッチ剤、経口剤があります。

 

日本においては注射剤が一般的です。注射剤が最も副作用が少ないのです。なかでも経口剤が一番肝機能障害を起こす頻度が高いです。よって、インターネットで注文して服用していると、知らずに肝機能障害に陥っていることがありますので、注意しましょう。

 

A.MTF(女性ホルモン療法)の効果

 

卵胞ホルモンや黄体ホルモンなどの女性ホルモンを注射します。

 

  • 乳房や乳腺が大きくなります
  • 髭や体毛が少なくなります。
  • 頭髪が増え、禿の予防になります。
  • 筋肉の減少により、丸みをおびた女性的な体型になります。
  • 精巣の機能低下に伴い、勃起不全が起こることがあります。

 

B.FTM(男性ホルモン療法)の効果

 

テストステロンなどの男性ホルモンを注射します。

 

  • 変声し、声が低くなります。
  • 多毛になります。
  • 陰核の肥大が起こります。
  • 性欲の亢進があります。
  • 生理が止まります。
  • 筋肉が発達し、男性的な体型になることがあります。

 

ホルモン療法による効果は個人差があります。

 

通常は開始後数ヶ月で変化が現れます。また、髭、乳房、排卵への影響は復元に困難を伴います。変声、精巣への影響は数ヶ月以上投与を続けるとほぼ不可逆です。

 

費用目安
女性ホルモン 1,000円(1アンプル)
男性ホルモン 125mg 1,500円

250mg 3,000円

陰茎反転法膣形成術

陰茎の包皮と陰嚢に造膣できるだけの十分な皮膚がある場合は可能になります。

 

陰茎反転法は、感覚のある陰核形成、陰唇形成、膣形成が1回のステージで行われます。以下の3つに異なる方法があります。

 

  • 陰茎反転法のみ 長いペニス(15cm以上)
  • 陰嚢の皮膚を用いた陰茎反転法 標準的なペニス(5〜15cm未満)
  • S状結腸を用いた陰茎反転法 短いペニス(5cm以下)

 

手術要件

  • 18歳以上であること。20歳以下の患者様は保護者の承諾が必要です。
  • 性同一性障害の診断がされていなければなりません。
  • 最低1年の抗男性ホルモンまたは女性ホルモンの投与を受けていなければなりません。
  • 精神科医に診断されていなければなりません。

 

手術方法

 

  • 尿道、前立腺、膀胱と直腸の間に膣を作成します。
  • 精巣摘出
  • 陰茎を切断
  • 陰茎から尿道を分離
  • 神経と血管とともに亀頭を分離
  • 膣腔を覆うように陰茎皮膚を反転(陰嚢皮膚やS状結腸も使用することがあります)
  • 陰核形成
  • 尿道形成
  • 大陰唇・小陰唇・神経・血管がついた亀頭の一部は陰核になります。そうすることで、陰核には感覚があり、外観もそのままです。尿道の周りの余分な勃起組織は性的刺激を受けると、勃起組織は充血するので、それを避けるために取り除かれます。性的刺激は膣の狭窄を起こしうるからです。

 

結果

 

MTFの性別適合手術は1回のステージで済み、いかのようになります。

 

  • 感覚のあるクリトリス
  • 新たに形成された尿道
  • 陰核形成
  • 大陰唇、小陰唇形成
  • 12〜15cmの新たに形成された膣(通常の女性の膣の深さは8〜9cm)

 

手術時間

 

約3時間

 

起こりうる合併症

 

  • 感染症
  • 患部の裂傷
  • 膣狭小
  • 直腸膣瘻

 

麻酔法

 

全身麻酔あるいは硬膜外麻酔

 

●料金目安

陰茎反転法膣形成術 2,160,000円